キングオブコント 2016
 やっぱりメモ取りました。

 今回は過去の名作コントが序盤に数本流れた。やはりロッチの試着室コントは笑ってしまう。下に芸人のコメントが流れるテロップが出ていたがこれはどうだろう。ニュースにツイッターが流れるみたいである。

【決勝前半】
 しずる……芸人紹介で村上のエピソードしかなかったのに笑う。「誰もいない!」は面白いがややボケ数が少ないネタだったかも。定番型の刑事を演じていることもあってか、もう少しテンプレートを壊す展開が見たかった。
 ラブレターズ……野球拳を替え歌にしたネタ。正直ほとんど笑わなかった。歌ネタは歌に頼るネタではない気がする。途中グレるシーンで無表情だったところはとてもおかしかった。
 かもめんたる……念を出している側が反対に意識もうろうになる設定が良い。「糸の切れたタコ」など言葉の選び方も好みだった。2013大会のときはあまり好きでなかっただけに新鮮で「おおっ、これは」と思う。
 かまいたち……「今やったのか?」がおかしい。顔の落ちる動きもバリエーション豊富で飽きさせない。何より「全然知らない人」というオチが素晴らしかった。
 ななまがり……ネギの人が登場して「誰だー」のところで噴く。が、そのあとはオチも含めインパクト不足だった印象も残る。演出や構成が作り込まれて隙のないゆえか、松本も言うように「裏切り」が足りなく感じたところがあった。
 ジャングルポケット……足にノートパソコンを載せたところと、トリオを生かした展開が良かった。汚いほうの下ネタが中心で、例の審査員五人からの高評価は少し驚いた。
 だーりんず……ななまがりとともに初出場のコンビ。「童貞」で引っ張るネタだが童貞イズムを感じない(結局風俗へ行くという展開は最たる例)。言葉の選び方も「まっさら」などグッとこなかった。背景不足か。
 タイムマシーン3号……こちらも「お金」で引っ張るネタながら「初詣」やあふれ方のバリエーション、展開など工夫が詰まっていて、かなり笑ってしまう。お金が出てちょっと痩せて見えるのも面白い。行儀は悪い。
 ジグザグジギー……芸人紹介の「一人も笑ってなかった」で笑う。謎が解けていく構成と高速でハエを処理していくところが良かった。が、オチと言葉(ツッコミ)を挟むタイミングは微妙にも感じてしまった。
 ライス……途中で「あーこれ小道具がバナナのコントやってた人か」と気がつく。「ブスは勘弁してくれえ」など、欲望がどんどん庶民的でひどいものになっていくところがおかしかった。しずるとの対決になったが、個人的にはしずるの二本目も見たかった。

【決勝後半】
 かもめんたる……冗談どんぶりーで「この人が変だといいな」と思ったら本当にそうでうれしかった。オチも含めすごく好みだったが前大会の巨匠のコントのように、ブラック系ネタは今あまり評価されない流れにあるのかもしれない。
 タイムマシーン3号……前半に続き特殊能力ネタ。木の躍動感や、さまざまなボケも上手いし面白いが、「いろいろなものをすべて演劇風にする」オチは普段の漫才に近く、もったいない終わり方だと感じてしまった。
 かまいたち……「給食費じゃないか」(スッ)がツボにはまる。キャラクターが魅力的で、先生と生徒だけでなく、生徒と生徒にしても笑いが作れる気がする。コントとしてのまとまりも高い。
 ライス……ジャングルポケットに続いて汚いほうの下ネタ。フレーズに巧みさを感じる。後半の追いかけっこの流れはあまり笑わなかった。ここでかまいたちをライスが超え、ジャングルポケットかライスが優勝とわかり、だいぶやる気がなくなる。
 ジャングルポケット……ジャングルポケットらしいネタ。余命が極端に短い設定はラーメンズのコントを思い出す。「ばいばーい」が力業で笑った。斉藤のキャラと三人でのリズム感が強い。


 優勝は「ライス」。上にも書いたが「ライス」か「ジャングルポケット」が優勝と決まった時点で、私はだいぶテンションが下がってしまった。かまいたちの一本目のコントは今大会で一番面白く感じたし、二本目も好印象だったので、彼らが落ちてショックだった。

 「ライス」と「ジャングルポケット」はどちらも「汚いほうの下ネタ」を使ったネタをやった。これに対して「小学生レベル」「幼稚」という批判を見たりしたが、そう一概にも言えない(ような)。小学生が好きなネタ=程度が低い、とはならないはずである。ただ好みで言うと、(「汚いほうの下ネタ」と書いて具体的に書かないくらい)好きでないので、少し残念だった。

 全体のまとめとして、今回は「汚いほうの下ネタ」を許容できるかどうかだったと思う。審査員の五人は許容したため、こういった結果になったのだろう。ライスのネタや二人には上手さを感じたので、納得はいくけれど、個人的には百パーセント楽しめなかった。

 採点を自分と比べると、日村と大竹が近かった。反対に前回近かった設楽と三村とはだいぶ離れる結果に(松本とは中くらい)。プロの詳しい感想は参考になるので、時間の関係で簡単に終ってしまったところは惜しかった。


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