京都の旅
2017年3月19日
 久しぶりの更新。京都国際マンガミュージアムで行われた「描く! マンガ展」を見て、古本屋さんにも何軒か寄った。

◎行くまで
 「描く! マンガ展」は、村上知彦さんのツイッターで、リツイートも含めて(首都圏開催時の)評判を聞いていたから、行きたいな、とは思っていた。それが京都まで巡回してきて、しかも最後(京都以降の巡回なし)とのことなので、行くか、と電車へ乗ったのである。


◎「食事」
 今回は昼食を人ととった。京都駅近くの地下街でパスタを食べる。こういうところ一人だと行かないなあ。地下街は、どのお店も11時には混み出して来て、さすがに三連休という感じ。


◎「描く! マンガ展」
  

 生原稿や複製原画を展示しながら、漫画技法、表現上の工夫など、「描く」行為にスポットを当てた展覧会。原稿は見事! 石ノ森章太郎のデビュー作「二級天使」が数ページあって、めちゃくちゃ上手でほれぼれする。美しい! 田中圭一さんの解説は、長文ながら着眼点が面白い。図録も購入。


◎「京都国際マンガミュージアム」
  ▼どことない怪しさ漂う公式キャラクター

 前来たのはいつだろう――常設展も見学。「天才バカボン」の紹介に笑う。館内は漫画を読む人で結構な賑わい(企画展はまあまあだったけれど)。展示の前に人が立っていて読めなかったりもしたが、女の子二人だったので許す。小学生だし許す(なにを言っているのか)。漫画家の手の彫刻展示があって、メビウスや大友先生など豪華メンバーでびっくり。


◎「喜久屋書店 漫画館 京都店」
 商店街を歩いていて発見。新刊書店で漫画がたくさん。2階にはアニメCDや漫画画材もあって、前心斎橋で見つからなかったアイシーのトーン71番があったので買った。というかかなり画材の品揃え良い気がする。京都は精華大学もあるし、漫画スポットなのか。


◎「とらのあな」と「メロンブックス」
 私は町田ひらくさんが好きで、氏の作品がないかなあ、と探しているのだけれど、やっぱりまあ、新刊くらいですね。絶版の本はそう見つからない(だから絶版なんだが)。メロブのほうがやや成人コーナーが大きかった(と思う)。


◎「寺町通(たぶん)」
 さっきから歩いているのがこの通りで、なんと通り沿いに古本屋さんが三軒も見つかった。今回は急に出かけたのもあって、古書店を調べず行ったから、あっ古本屋、また古本屋、またまた古本屋、みたいになって歩きながら笑ってしまった。良いなあ。


◎「三密堂書店」
  ▼右→左が素敵

 文学、趣味、郷土など。新書、文庫も多数、また占いの本が揃っていたのも印象的。漫画はつげ義春などあったが、きっちりした値段である。整理された棚が見やすい。

「聖少女」 (新潮社) 100円 倉橋由美子。装丁が美しい――。
「じぶん・この不思議な存在」 (講談社現代新書) 100円 「読んじゃいなよ!」を前読んで面白かったので。

◎「吉村大観堂」
  ▼佇まいがツボだった

 建物とお店の感じが風格あって良い。店内には歴史、文学、趣味の本が通路にもはみ出して積んである。黒っぽい堅めの本が中心か。店頭の均一棚には状態こそ悪いが、なかなか特徴ある本が並んでいた。

「吉本隆明初期詩集」 (講談社文芸文庫) 200円 このサイトは詩集を買いがちだな。

◎「梁山泊」
  

 「阪急古書のまち」にもお店を持つ、社会科学系の古書店。お店は2階にあり、そこまでの階段には均一本が並んでいる。岩波文庫もたくさん。お店へ入ると溢れるように本が並び、文学、哲学、教育、社会、経済、歴史、宗教――と堅い分野が一通り揃っている。在庫量も多いし、広がる本の世界は博士の書庫へ足を踏み入れたみたいな感じで、とても楽しかった。

「アメリカ黒人昔話集」 (現代教養文庫) 50円 こういうのも買いがちな気がする。
「日本人畸形説」 (評論社 復初文庫) 800円 ぱらぱら読んだ感じに惹かれる。
「京都古書店絵図」 100円 ブックカバーにもなる古書店絵図。お店がたくさん。

◎「信長書店 四条河原町店」
 こちらも通り沿いにあったので寄ってみたが、まあ、新刊という感じ。ただ一水社の2冊が揃っているなど、今日行った中ではいちばん充実していたかも。しかし、再版してくれたらなあ。お客様の声コーナーがあって、ちらっと見たけれどカオスで面白かった。


◎「画箋堂 本店」
 通りが行き着く先にあった画材屋さん。入ってみると、またトーンが充実している。京都てすごいなあ。そしてなんと特別セールをしていてアイシーのトーンはこちらのほうが安かったから、わたしは呆然とするばかりなのであった。


◎「帰りながら」
 「文化」みたいな部分では、やはり京都は濃い気がする。時間とお金の関係で今回はパスしたけれど、通り沿いに中古CD屋さんも何軒かあって気になった。街のカラーというものが京都にも大阪にも広島にもあって、どこに住むか、どこで育ったかで全然ちがう人になるだろうな、というのを旅行していると感じる(単に方言とかそういったことではなく)。


 今回はわりと堅いお店に多く行ったが、古書店絵図も活用して、サブカルチャー系のお店にもまた行ってみたい。もちろん、それまでに買った本は読みます。本当です。信じてください。わたしはうそをつかぬ。真実、明瞭。本当のことなのです(太宰治調)。


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