ピンポン
ping pong


 ピンポン、とピンポンの音が鳴った。ピンポンをしながらもピンポンを気にしていた俺は、ピンポンというピンポンの音に気がついて、これは昨日頼んだピンポンラケットの宅配だろうとピンと思いつきながら、ポンポンポンと軽快な足取りで進む頭の中には正解のピンポン! 感覚がピンホールカメラの様に写されていた。

 ピンと張った空気の中ドアをポンと開け放つと、まるでピン芸人のような格好の少女がヘアピンを頭につけていた。俺の家はヘアピンカーブにあるからピンポンというピンポンの音を聞くのは稀だし、だからこそ宅配だろうとピンと来たわけで、ポンポン喋りだしそうな、ピンボケ気味の少女がいたのには驚いた。

 「ピンポンダッシュしにきました」少女はそういうとポンと玄関口を飛び降りて、ポンドの重さも感じさせずにピンポイントで出口をめがけ、ヘアピンカーブをポンポンポンと走りだす。

 俺はポカンとしてしまったがすぐにピンポンダッシュとピンときて、ピンポンの音はピンポンで無かったと、持ったままの前のピンポンラケットをポンと放り投げた。

 そしてポンポンと玄関口の階段を下りる少女を泉ピン子のような大声でポンポン悪口飛ばしつつ、ピンチに焦ってポンポンポンと追いかける。

 後ろでポトンと何か落ちた気がして、走りながらも振り返ればピンクのピンポンラケットが、前のピンポンラケットが、ポン菓子と共にポンパドール婦人時代のテーブルから床に落ちているのが見えている。

 それはともかくピンポンダッシュのピンチについて、ピンポン鳴ったように思い出して、慌ててポンポン走る少女を追いかける。

 と、少女がポテンと倒れている。駆け寄った俺に少女は「ポンカンの食べすぎピンピンコロリ」と言い放つ。俺は涙でピントが合わなくなりながら、ピーター・フォークのようにこの目が義眼であったなら、ポロリと涙流すこともなかったろうとポテンシャルあるポン引きみたいに、追いすがっては泣いていた。

 その時、ピンポンとひらめいた俺はかぽーんと音響く銭湯で少女をポカポカ温める事にし、朋友に頼み、ピンのごとく細い息の少女を、ピンセット風に挟んで持ち上げポンポンポンとおぶってく。

 銭湯についたら少女はピンピンと治り、俺は喜びポンと笑顔も飛び出す始末。これにてピンポン騒動終わりかなと温泉よろしくピンポンラケットピンポン始めた。


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