天神橋の旅
2016年3月19日
 大阪の天神橋商店街にある古書店を一部訪ねてきた。
 実を言うと、この商店街に古書店が集まっていると知らず、「天牛書店」と「ジグソーハウス」だけを目指していたのだが、歩いている途中「矢野書房」と「栞書房」を見つけ、ええー、とみんな寄ってきたのだった。

◎「行くまで」
 天神橋へ向かう。近くに帝国ホテルがあった。商店街に着くとこれが長い。うしろを見ても前を向いても商店街。さらにそのどこも人でいっぱいで、茫然としてしまった。


◎「天牛書店 天神橋店」
  ▼左の貼り紙で電子機器の操作を注意している。せどらー防止?

 有名な天牛書店の、商店街中にあるお店。店頭ワゴンは文庫。店舗に入ると、賑やかな商店街の雰囲気がさっと引いて、落ち着いた雰囲気に変わる。ショーケース、わりと堅めの文学、歴史の本の並んだ棚がつづき、奥に伸びている。ハヤカワの異色作家短編集が平積みされていた。
 漫画はほとんどない。一番奥に文庫の棚があり、これも四棚ほどですっきりしている。映画など趣味の本は壁沿いに並び、全体的に整理の行き届いた老舗らしい風格あるお店だった。

「さあ、気ちがいになりなさい」 (異色作家短編集 7) 480円 ほかにも数冊あったがなんとなくこれを。

◎「矢野書房」
  ▼うしろにBOOKSとあるのに今気づく(にぶい)

 ジャニーズグッズが入り口にたくさん。どうも「ジャニランド」という中古グッズのお店が入っていて、その商品の模様。通りすぎて進んだが、これがすごかった。絶版漫画がずらり。それも「スイートちゃん」や「東海道戦争」のような簡単には見かけない商品で、コミックメイトなどの新書版が揃っているのには目が白黒してしまった。カバー欠の商品を扱っているのも珍しい。
 ガラスケースがあり、中にやはり絶版漫画。値段は極端に安いわけではないが、まさにちょうどいいくらいである。

 さらに奥へ向かうとSFが並んでいる。ハヤカワ文庫がいくつも。収集を始めたばかりの私には衝撃的だった。ほかにも小説等の単行本、趣味の本、安売り文庫があったが、なんだか上の漫画とSFにあてられて記憶が曖昧である。ううむ、すごい。

「宇宙ゴミ大戦争」 (早川JA) 300円 ちらっと読み始めたが面白い。
「ハイウェイ惑星」 (早川JA) 200円 探していた一冊。
(絶版漫画は最後に買おうと思っていたら文庫でおおーとなって結果買い忘れました)

◎「栞書房」
  ▼看板の絵はレシートにも入っている

 均一台に、文庫を見つけ、取ろうとしたがきっちり詰まっているせいか難儀した。下手をすると本を傷めそうで、結局その前に諦める(声をかけて頼むほどの気持はなかった)。お店は絶版漫画(二棚ほど)、趣味の本(オカルト系が目立つ)、文庫、アダルトなどで構成されている。
 絶版漫画は新書はもちろん、雑誌系に面白いものがあり、また音楽雑誌もいくつか気になるものがあった。SFでは探しているシマックの本があったものの、迷った末、今回はやめておく。

「人間昆虫記」 (COM増刊) 400円 結局これを買う。デザインが格好良い。

◎「ジグソーハウス」
  

 こちらも有名なSFとミステリの専門店。2016/2/14に移転していたらしい。地図を見ながら探す。該当ビルの前には置き看板があって、そこから二階に上がったが、階段が急で少し怖い。
 ドアを開けるとお客さんがもう何人か入っていた。ドアの横の棚にずらっとハヤカワSFシリーズ。銀背と言われるとおり棚が銀色に染まっている。例の箱に入っている本もちらほら。知っている作家のものを数冊取ってみたが、やはりそれなりの値段で、しかし専門店でこの値段ならこれが相場なのかなーなどと考える。

 店の中心には低い棚があり、透明なカバーを掛けた文庫が並んでいた。銀背の反対側にある棚には、雑誌や大型本、単行本が並べられ、奥には「コレクターの本棚拝見」で出るような古い探偵小説があった。豪華だなあ。

「アリスの不思議な旅」 (早川JA) 500円 探していた一冊。
「歌麿さま参る」 (早川JA) 500円 JAばかり買っている。

 ここで天神橋商店街をいったん離れる。まだお店はたくさんあるようなのだが、時間がなくなってしまった。ぜひ再訪を。


◎「ブックオフ尼崎東園田店」
  ▼この矢印の感じが妙に好き

 さすがに棚の雰囲気が違うと当たり前の感想。かんべむさし「ひとりおきの犯人」など購入。


◎「帰りながら」
 今回は商店街周辺を歩いただけだったが、それでもいくつかのお店へ寄ることができた。こういうのはやはり都会ならでは、かもしれない。また、探している本を集めることもできた(しかし、こういう風に買っているとすぐ全部揃ってしまいそうだ。楽しみが終わりそうなのでやや間隔を置いて揃えるほうがいいのかもしれない)

 今までの記事に比べて、やや古書店情報を詳しく書いてみた。読むところは増えたが、どうだろう。さくさく簡単に書くほうがいいのか、くっきり細かく書くのか――。まだ考え中といったところで、これからも試行錯誤を続けていきたい。


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