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8月の春日記


2015年08月01日(土)

 古本の「出産・育児」のコーナーに、「プロレス最強は誰だ?」があったのです。黄色の背に、ゴシックの黒い太字で書かれています。「プロレス最強は誰だ?」

 誰か。力道山でしょうか。「出産・育児」にそんなことを問われるとは思いませんでした。「母親が一番偉い」とか、そういう話ですか。

2015年08月02日(日)

 レシートをもらったものの、担当名が女性でした。対応してもらったのは、壮年のおじさんだったはずで、どういうことか。
 「照美」のようなどちらもある名前ではなく、「○子」でした。○子。あ、いや、○子、という名前ではなくて、○にはお好きな漢字を当てはめてください、ですが、それにしても。

 設定が古いままだった、がありそうですが、それではまだ見ぬ○子さんが逆に「○男」という名前でレシートを発行しているかもしれず、発行機の中だけで入れ替わりラブコメ状態です。

2015年08月03日(月)

 ランドセルの広告に「六年間ずっと格好良い」。「六年間ずっと」です。迷子になっても格好良い、帰りの会で糾弾されても格好良い。ランドセルさえ、あれば。
 ただ問題は、近くにランドセルがなければ「格好良さ」は発揮できないことです。意外とこれが難しく、背負っていたら座れません。机に置いたら教科書も見えません。

 そこで、昼休みになると、みんなロッカーへ走って行くのでした。ランドセルの前に立って、白い歯を光らせます。格好良くても、六年間ずっと、動けないのでした。

2015年08月04日(火)

 上司と王様です。「安達さん、今日飲み行かない」「あっ、すみません、実は今日、王様と予定が」「王様」「王様です」「それは、あの、王様」「王様です」「よくわかんないけど、それ、飲みより大事かな」「すみません」「ええーっ」
 「上司を優先したほうが、いろいろ、いいと思うよ」「すみません、だって私、田中部長には『ありがとうございます』ですけれど、王様には、『はっ、ありがたき幸せ』ですから」「王様か」

 ゆとり社員とありますが、王様社員がこれからのトレンドというか、みんなそうなると思います。

2015年08月05日(水)

 ドラッグストアへ行ったとき、安売りコーナーがありました。そこで半額になっていたのが、経口補水液です。ああ、これ所さんがCMしてるやつだ、と購入したのですが。
 昨日、冷蔵庫から取り出すと、それは経口補水液「S-OS」でした。「S-OS」。えっ。例のOS-1と全然関係ありません。「ロッチ」のシールを見たときのような気持ちになりました。

 人生初「経口補水液」が「S-OS」。なんだか、もう一度、やり直したい気がします。

2015年08月06日(木)

 八月の年忘れも、良いと思いました。年忘れは、「その年にあった苦労を忘れること」ですから、きっと八月にやっても上手くいきます。「八月忘れ」。
 それが終わったら、「九月忘れ」「十月忘れ」「十一月忘れ」「年忘れ」「新年忘れ」「二月忘れ」――と延々続くのです。「先月は大変だったね」「なにか、ありましたっけ」。

 進めていくうち、いつか「来年忘れ」まで行くかもしれませんが、そのときは、鬼も笑わなくなって、一石二鳥と言えます。

2015年08月07日(金)

 「らくらくホン」とドコモにありますが、考えれば、私たちがいつも使っている携帯電話は「普通普通ホン」ということになります。普通普通ホン。
 こう来ると、たまに繋がりにくくなっても「普通普通ホンのふつうは、不通のふつうだよ」とごまかすこともできます。便利です。

 「らくらくホン」には「ベーシック」もあり、これが「普通普通ホン ベーシック」だと、もう町は大騒ぎです。

2015年08月08日(土)

 タイピングをするゲームにはまっていましたが、やめられません。気がつくとタイピングのことばかり考えているのです。これが、恋なのね。KOREGA,KOINANONE.
 さらに驚いたのは、それくらいはまったのに役立ち度が微妙、ということで、あるときゲームと関係なしにレポート、と打とうとして、

 「レオート」。瞬間、タイピング熱は冷めました。

2015年08月10日(月)

 小学生のとき、「暑い」「熱い」「厚い」を書き分ける問題がありました。
 さて、世の中には「教室を飛び出して」という言葉があります。ではこの「あつい」問題も、「教室を飛び出して」いたとしたら。

 「『すごくあついお湯』のあついは、どのあついですか」
 「実際に入って、確かめてみましょう」

 ならない。ならないと思いました。

2015年08月11日(火)

 車に乗っていると、727化粧品の看板を見つけました。もっと田畑の中に立っているイメージがありましたが、こうした住宅の立ち並ぶ道路沿いに発見できるとは。
 近くで眺めると、怖いものもあります。大きい、だけで、数字も恐怖の対象になるらしいです。

 ふと、この看板を百枚くらい、延々と並べてジャケットにし、アルバムを製作したら、結構ロックではないか、と感じました。

2015年08月12日(水)

 持っているCDをリスト化することにして、作業を始めたところ、こういうの好きだな、とやりながら気づきました。
 自分に向いた職業、とか言いますけれど、それてこれかもしれません。リスト化。大量のCDを所有する家へと向かい、どんどん記録していく、とか、そういう感じの。

 ときにはCDの内容について談笑しつつ、その家庭にあるトラブルを解決する手助けをするかもしれません。ビッグコミックで連載です。

2015年08月13日(木)

 「藤子・F・不二雄展」をお兄さんと見に行ってきました。「オバQ」や「ドラえもん」の第一話原稿などが展示されていて、見応えがあります。
 ドラえもんの体の縦線は、藤子先生の手書き、と聞いたことがありましたけれど、原稿を見ると本当にそうだーというものです。また、初期のオバQの顔は。顔は。

 展示には撮影コーナーもあり、パネルなどがあったのですが、お兄さんはそれらでなく、石ころ帽子を着けたドラえもんを一人撮影していて、春は、気が合うのかな、と思いました。

2015年08月14日(金)

 「パピプペ パーマン」という歌詞ですが、ポの立場は。パピプペ、と来たら、ポ。いつもそうやって、やってきたじゃありませんか。
 ここは「ポーマン」でいいと思います。今なら大丈夫です。ポーマン。「パピプペ ポーマン」。清明な空気ですね。

 しかし、「名前の由来」を発表するとき、「パピプペから」というのは、酷です。ざわつくクラス。ポーマンのことを想像すると、やはり、パがいいな、です。

2015年08月15日(土)

 「スペシャルサンクス」と「スクランブル作戦」は似ています。まず、そのう、「す」という文字が同じですし、それに、あの、「さ」という文字も、えっと、同じですよね。
 うつろな顔で言っていると、いよいよ危ない雰囲気ですが、ともあれ、「スペシャルサンクス」と「スクランブル作戦」が似ていると、どうなるか。

 「スクランブル作戦――このCDを聞いてくれた、あなたに」。緊急発進を、という感じで夏です。

2015年08月16日(日)

 不法投棄が流行っている場所に「見ています」と書かれた看板。見ているんだから、捨てたってみんなお見通しさ、とそんなものです。
 しかし、こう書いてあったらどうでしょうか。「見ていません」

 「――絶対、見ているよ」

 きっとそう思われるに違いありません。そして実際に、看板を立てた人が、見ているとしたら。物陰に隠れて。混沌があります。

2015年08月17日(月)

 雑誌で収納について読んでいると、コップの話が載ってい、「ディスプレイするためにはキレイにしておくべ」と書かれていました。
 友達口調です。「お前の部屋、カップ置くといんじゃね。ほら、キレイにしておくべ」。ほら。誰だか分かりませんが、カップどころではないように思います。

 しばらく考えて、「しておくべき」の脱字、に行き着いたものの、驚きは消えないままでした。

2015年08月18日(火)

 近ごろ、「なにを書いてなにを書いていないのか」が曖昧です。このままでは同じネタを繰りかえす再放送サイトになりかねません。
 文章にした記憶、は残っていることも多いのですが、そのあと実際に更新したのか、没にして削除したのか、それがおぼろげなので、いまいちなのでした。

 さて、ところで、近ごろ、「なにを書いてなにを」――という、可愛いオチでした。

2015年08月19日(水)

 「お前のような親不孝は、この家から出て行け!」「ああ、出て行ってやるよ!」「そうだ、早く行け、甲子園に!」「――親父」
 その甲子園も終盤に近づき、八月も半分を切りました。小学生はそろそろ宿題に本気を出しているはずです。私も、なにかに、本気を出すといいかもしれません。なにか。

 「録画番組をDVDに保存」、が浮かび、そういうことか、と思いました。

2015年08月20日(木)

 魚を釣ったあと、置いてけ置いてけ、の声。置かずに逃げても、結局魚をとられてしまう。それが「置いてけ堀」ですが、そういうことをしていると、誰も来なくなると思います。
 すると、「置いてけ堀」妖怪は相手が、いなくなるのでした。静か堀です。「置いてけ」と言えたころが懐かしい。遠い目。

 たまに人が来ても、長時間黙っていたために声が出ず、妖怪は遠いリベンジを狙うのです。

2015年08月21日(金)

 雨の道を、家族がやってきました。お母さんと小学生らしい兄弟の、三人組です。楽しそうに会話しながら、すれ違っていきます。ところが。
 最後に来た弟は、ドーナツを食べていたのです。彼の顔くらいある、ふわふわした生地に、白い砂糖がかかったやつを、雨の中美味しそうに噛んでいます。

 しなーっとなるのではないか、とそればかり考えていました。

2015年08月22日(土)

 開かない瓶の蓋、というネタを、さまざまに見ますが、「とてつもなく力のある人」がいると、根底から覆されるのでした。
 ほかにも、「重くて持てないから一緒に持って、あちゃあ」のネタや、「ドアが開かないと思ったら、押すと引くを間違えていたよ」のネタも、「とてつもなく力のある人」の前では無力です。

 ガキインと、崩壊した物体の前で笑う「とてつもなく力のある人」。見ている人も笑顔です。

2015年08月23日(日)

 腹を立てながら、家へ帰って来、ドアを叩きつけるように閉めたとしても、それから靴を脱ぐわけです。なんか、間が抜けている気がします。
 本当に怒っているのなら、アメリカ人風に土足で上がりたいところ。怒っていても、床が汚れるのはいやというところに、人間の哀切はあります。

 なので、床が泥だらけになったとき、初めて人は怒っているのです。

2015年08月25日(火)

 エスカレーターの前で、立ち止まっているおばさん。よく見ると、おばさんは、持っていた箱をエスカレーターの手すりへ上手いこと載せようとして、止まっていたのでした。
 やがて手の支えのもと、箱は上手く載り、ずんずん斜めに、下っていきます。おばさんも降りていきます。箱。おばさん。箱。おばさん。

 スタイリッシュな生き方を、そこに感じました。

2015年08月26日(水)

 注文したミニコンポが家に届きました。店頭に在庫がなく、「一週間くらいで届きます」、とのことで待ち受けていたわけですが、ついに到着です。
 その段ボール箱が、だいたい新巻鮭と同じくらいのサイズで、ふと、コンポを待っていて新巻鮭が届いたらいやだなあ、と思いました。

 新巻鮭のボリュームは、上がらない気がします。

2015年08月27日(木)

 ミニコンポを設置し、ラジオを聞くことにしました。慣れない手つきでボタンを押したものの、ザー、という音のみ。
 へ、と思いながら、ああ、この部屋ラジオ入らないのか、とAMにしたところ、こちらは入りました。AMは広く電波が届くのさ、と確認のようにへらへら笑っていたところ。

 FM用のアンテナを後ろに見つけ、立てた瞬間、FMも鳴り出したのでした。

2015年08月28日(金)

 「なにもしていないのに壊れた」と言うと、みんな怒ります。「そんなはずないよっ」。その怒りは当然ですが、そこで「原因マシーン」を考えました。
 ワンクリックで「義憤にかられて」「可愛い猫を助けようとして」などの「原因」が表示され、「猫を助けようとして壊れたのなら、しょうがないな」と相談は大成功です。

 ただ、「原因マシーンをインストールしようとして壊れた」には、対処できません。

2015年08月29日(土)

 町を歩いていると、なにかを干している家が見つかります。ベランダで服や毛布やその他のよくわからないものを干しているのです。
 この前もそんな一軒がありましたが、物干し竿の片側の支えが倒れ、服たちが斜めにざっと、引っかかったようになっていました。まるで万国旗です。

 「万洗濯物旗」は、サイズによる領土問題が気になります。

2015年08月30日(日)

 やっぱ、ロックじゃん、と、ロックな口調で始めたわけですが、ともかく、図書館でロック関連の本を探すことにしました。名盤紹介や歴史などを。
 検索窓に「ロック」「日本」と打ち込んで、待っていると、やがて出ました。

 「バロックの日本」。ええー、と、俺はシャウト。激しいドラミングです。

2015年08月31日(月)

 最近のインターネットはハイテクノで、例えば本を買うと、あっという間にネット上の広告が、本ばかりになります。CDを買っても同じです。
 ただ、「ネットで調べてから店舗で購入」をやるせいか、「持っているCD」が広告に表示されるのは解せません。二枚。二枚買えと言うのですかお代官様。

 あと広告に表示された三枚ともが調べたバンドだったりすると、いじらしいと思います。

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